現役栄養士インタビュー(3) 管理栄養士のお仕事のやりがいと大変さ

現役栄養士インタビュー(3) 管理栄養士のお仕事のやりがいと大変さ

現役栄養士インタビュー

大阪栄養士ナビのインタビュー第7弾をお届けします。

K様インタビュー第三回:管理栄養士のお仕事のやりがいと大変さ

第3回の記事では、K様が管理栄養士に転職してからのお仕事内容
仕事で経験した大変だったことや感動したことについて伺いました。

―――念願の仕事に就いてからどんなことを頑張りましたか?

入社当時は、カロリー計算や目標設定に時間をかけてと言われており、一人当たり30分で完結さることを念頭において面談をしておりました。しかし、それでは対象者の方の背景や環境が分からず、一辺倒なアドバイスしかできず、みなさんの顔から、また同じこと言ってる、と思っているだろうなという表情をしているのを見るのが辛かった時期もありました。

効率よく運用するためには当たり前のことだとは理解しましたが、これで良いのかと思い、もう少し対象者の生活習慣や考え方などを掘り下げることに時間は使えないのかと、上司に相談しました。
しかし、そんなの無理、みんながみんなできる訳ない、と一蹴されてしまいました。

―――思い通りの仕事ができないと悔しいですね。

でも諦めたくはなく、同僚にも相談し、共感してくれ、みんなでどうしたら時間も意識して、且つ、しっかりヒアリングして、目標設定を完了させるかを話し合いました
何度も上司にも相談し、ようやくその方向で対応してもよいと許可をもらいました。

―――素晴らしいです!

そのように少し環境は変わったものの、食事の摂り方やカロリー計算も必要な知識ですが、やはり医学的な知識の薄さに焦りを感じました。
特定保健指導で必要な血糖値や血圧、中性脂肪やコレステロールといった数値基準や、何故高くなるのか、そもそもどのような仕組みなのかは当たり前ですが、それに付随する心疾患や脳血管疾患、腎臓病やガンなど、あらゆる病気は関連性があり、そういった知識を持ちながら、分かりやすく伝えることの難しさを、実務を通じて痛感しました。
幸いなことに、会社に医者が常駐しており、先生の講義を受けたり、質問し放題だったので、暇をみては先生を掴まえて、この場合はどうなのか、こういったケースではどう対応したらいいのかを質問しました
そのおかげか、対象者の方から、知らなくて答えられなかったり、知っててもうまく答えられないときの、残念そうな顔ではなく、信用して安心して話ができる管理栄養士、と見てもらえたり、そのように言っていただけるように変わり、嬉しかったです。

―――信用してもらえるのは嬉しいですよね。他にも印象に残っているエピソードはありますか?

入社から半年以上経った頃、チーム異動があり、全国に出張するようになりました。
ここでの大変さは、地域性でした。
生まれも育ちも東京の私にとっては、地方での生活をあまり体験したことがなかったのですが、各地方を回ることにより、こっちでは通用することも、あっちでは通用しないなどの事象はよくありました。
逆にこれは地域性はあまり関係ないのだなと思ったものもありました。
例えば運動面では、歩いて身体を動かしましょうとお伝えした時に、都心と違って道が暗いから歩けないし、冬は雪だからもっと動けないと言われました。
食事面では、特に東北地方は漬物を食べる機会が多く、更にそれに醤油をかけたり、毎日味噌汁を飲んだりする習慣が多いようで、塩分換算をしたら一般の1.5~2倍はあることが分かりました。
また、他の地域では摂取する脂の量が比較的多く、コレステロール値や中性脂肪の値が高めであることにも驚きました。
それが普通であり、昔からの食べ物だから、などと言われた時は、どうしたら認識を改めてもらえるのだろうかと悩みました。

―――昔からの生活習慣なので、理解してもらうのが難しそうですね。

もちろん、行く前に勉強するのですが、分からないときは対象者に教えてもらいました。
その中で、確かに塩分摂取は高い傾向にあるので、その必要性はお伝えしますが、その代わり、その土地でしか食べないようなものもあり、その土地で取れるものや季節感を無視した食事の乱れも、影響していると感じました。
昔ながらの食文化も守りつつ、病気と食事の関係性はしっかり伝えられるよう、各地の食文化や、特徴を勉強しました。
また、少し慣れてくると、その地域に行くときに、特産品やご当地ネタなどを話すと盛り上がってしまい、時間内に終わらなくなってしまうこともありました。
しかし、話しの配分や切り返し方、終わらせ方は必然的に身につきました。

―――話のテクニックも大事ですよね。

それでも、ひとりひとり思いや考え方は異なるので、話を引き出せるように質問の仕方を変えるなど工夫したり、その方にあった提案を分かりやすく、時間内に伝えて、目標設定まで持っていくのは、今でも大変ですが、すごくやりがいや楽しさを感じます。
今は現場から少し離れてしまっていますが、よく対象者の方から、あなたのアドバイスなら受けたい、あなたが担当してほしいと言われます。
理由は、指導されているような話し方をしないからだそうです。
身構えてしまうような印象ではないようでよく共感してくれるところも良いそうです。
また、話し方が分かりやすく、身近に感じる存在だからだそうです。
この上ない褒め言葉で本当に嬉しかった思いは忘れません。
遠回りにはなったかもしれないですが、異業種で違う考え、環境の方と過ごし、相談にのらせていただく機会があったことで、ここまで来れたのかなと思っていますし、経験が活きているのだなと、しみじみと思っています

インタビューはまだまだ続きます。
次回の更新は2月25日(火)を予定しております。

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